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ライター今泉愛子のブログです
アトリエマニス
 先々週、取材に忙殺されたということは、
先週は原稿書きに忙殺されるのは自明の理だったんです。
久しぶりに連日夜なべしました。

そして、週末はのんびり。
というわけで、アトリエマニスの展示会に行ってきました。

このブランドを知ったのは、ある作家さんをインタビューしたとき。
お洋服があまりに素敵だったので、どちらのですか?と
お聞きしたところ、「アトリエマニスです」とおっしゃって。

調べてみたら、なかなか味のあるお洋服。
アジア各地から仕入れた布をもとに、
バリのウブドにあるアトリエで、
バリ人スタッフたちと作っているそうです。

手作り感たっぷりのお洋服ですが、着こなすのがちょっと難しいかも、
とも思ったんです。
トゥモローランドやセオリーのように、多少野暮ったい人(たとえばわたし)が
着ても、そこそこレベルに見えるお洋服とは、逆ベクトルって感じで。

その作家さんは、日頃からかなりのおしゃれさんで、
いつもエスニックなテイストのお洋服を、
ものすごーく先端な雰囲気にしてしまえる人。

だけどわたしがエスニックテイストの服を着たら、
「なんでそんなに張り切りたいわけ」的がっかり感が
出てしまうだろうことは予測がつくわけで。

わたしはもともとKeita Maruyama的手仕事感が大好きだったんです。
でも最近、keita様では、今ひとつ好みのものが見つかりません。

エスニックテイストは、あまり得意じゃないけど、
ちょっと試しに行ってみよう!と、会場に向かったのでした。

結果、ワンピース1着とカットソー1着を購入。
本当はもっとほかにも欲しいのがあったのですが、
一気に買うとたいてい失敗するので、とりあえず、この2着で
試運転してみます。

どちらもグリーン系の素敵なプリント生地。
夏が楽しみになりました。

次の販売は、5月18日から西荻であるそうです。
ご興味のあるかたは、リンクをたどってみてくださいね。

たたみじわが気になりますが・・・上がワンピ、下がブラウス。



posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 09:11 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
そして安田氏は・・・。
 わたしも物好きだな、と思うのはこういう瞬間ですが、
ふと昨日読んだ本の著者、安田佳生さんを検索してみましたら、
いま、「境目研究家」を名乗っていらっしゃって。


え、大丈夫ですか。
と思ったんですけれども、なかなか面白そうです。
親友と友人の境目、儲かると儲からないの境目、
天才とそれ以外の境目・・・。
社長より、合ってるんでしょうか。

昨日紹介した本は、やや突っ込み不足なところも
ある気がしたんです。
当事者意識が弱いような・・・。

でも、終わったことにあれこれ想いを巡らせる時間があるなら、
とっとと前に進んだほうがいいってことですね。

人は敗戦記に何を期待するんだろう。
「失敗しました(泣)」みたいな物語?
それとも失敗理由の徹底分析?
出版としては、けっこう微妙なラインかも。


posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 08:21 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
敗戦記をどう読むか
 私、社長ではなくなりました。
 ワイキューブとの7435日
安田佳生
プレジデント社
1470円

ワイキューブという会社が、タクシーに広告を出しているのを
一時期よく見ていたんです。
その頃わたしも、都内の移動にがんがんタクシーを使っていました。

広告はたしかにすごく洒落ていました。
でも、ここまでお洒落に作る必要があるのかな? と思った。
表現している内容と、得たい効果とのバランスが悪い広告のように
感じたんです。
それで印象に残った。
なので、この本を見た時、あ〜って。

これは敗戦記です。
読んでいると、当然「そりゃダメだ」と感じます。
もちろん、いい部分、がんばっている部分もあったと
思うのですが、あえてそちらは書いていないのかな。
とにかく餅の絵を描くことに夢中になっていた、という印象を
受けます。

過度な投資・・・洒落たオフィスを作って、優秀な人材確保に奔走する。
社員の給料をどんどん上げて、入社2年目以降の社員の移動はグリーン車、
オフィスにワインセラー。

なんでそうしちゃったんでしょうね。
ご本人も触れていらっしゃいますが、
コンプレックスとうまく付き合えなかったのかな、と思いました。
先日のエントリーで書いた、スピルバーグ監督は、
コンプレックスをもとに、見事な作品に仕上げています。

でも、安田さんの場合は、劣等感に振り回されてしまっている。
劣等感を抱く自分を客観視できなかったのかな。

自分のダメな部分が認められない。認めたくないというのは
よくあることですが、
ダメな部分を認めすぎて、自尊心が低いと
挑戦する勇気なんて沸いてこない。
そこは本当にさじ加減ひとつな気がします。

そう考えると、敗戦記は読み方が難しい。
失敗を避けるための教訓を得ようと読むと、かえって何もできなくなりそう。

安田さんは、
自分の居場所を見つけるために、会社を作って、社長をやった、と
いうような告白があるんです。

それは動機としては「間違い」でもないかなと思いました。
ただそれにしがみつきすぎるとゆがむんですね。
その「ゆがみ」をポイントポイントで、
上手にリセットできるといいんだなと思いました。 


posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 11:09 | 書評 | comments(0) | trackbacks(0) |
「当事者」って誰のこと?
 このところ毎日取材が入って、都内を行ったり来たり。
体力を消耗するのはもちろんですが、一日をうまく使えない。
かつては、そういう生活の中で、あれもこれもと欲張って、
スケジュールを立てていたのに、どうしたことか・・・。
機動力が落ちているのかな。
とりあえず、今週は落ち着きそうです。

取材の往復時間などに、読んだのがこちら。
当事者の時代
佐々木俊尚著
光文社新書

3月16日発売で、
私は、発売日にJR新宿駅構内の書店で買ったのでした。

まずは、読み始めてすぐに、これは新書じゃない〜!
と思いました。
新書はさらさらと読める、
という思い込みを見事に裏切る重量級の本です。
厚さはもちろんですが、論理展開も緻密なので、
適当に飛ばしながら読むことは許されない感じ。
たくさんのエピソードを最後にがっつり回収する手腕はさすがです。
この話とこの話がこう繋がるのか! という瞬間は、
自分の中の知性がぴきぴきと音を立てて成長したように感動的。
なので、がんばって最後まで読み通すことをお勧めします。

当事者とは、何でしょうか。

私が、子どもを育てていてよく違和感を持ったのが、
「子どもがかわいそう」というお母さんたちの感覚です。
かけっこで順位をつけることを「子どもがかわいそう」と言って
止めようとするお母さんがいるんです。
お遊戯会でも、居残り学習にも、
「子どもがかわいそう」論理は登場します。

でも、それって本当に子どもはかわいそうなのかな、と
よく思いました。
子どもって、大人が思うほど弱くはありません。
困難を乗り切るだけの知恵も勇気も十分に持ち合わせています。
なのに大人は、それを発揮する場面を制限してしまう。

話がそれました。
佐々木さんが本書で言っている「マイノリティ憑依」とは、
こういうお母さんのようなパターンでしょうか。

弱者の立場を代弁しているだけなのに、代弁しているという自覚を持たない。
自分自身を正義の人だと思っている節すらある。
これって非常にイタいです。
でもこのイタい症状が日本に蔓延しているんです。
「弱者」という立場から、声高に正義を発信する。

佐々木さんは、日本で、このマイノリティ憑依が勢いを持った背景を
丁寧に解説します。
がっつり読んでいると、頭が痺れてきます。
ある意味、理解しようと意気込まなくてもよいかもしれません。
とにかく、前へ前へと読み進めましょう。

マイノリティ憑依ってのは、わたくしが解釈するには、
「先生、花子ちゃんが男子にくさいって言われて泣いています!」と
言いつけにくる女子的立ち位置ですかね。

自分もじつは花子ちゃんをくさいと思っていたことはおくびにもださず、
かわいそうな花子ちゃんをかばう、立派な女子という立ち位置を
確保していばる。我こそは正義って。

本を読んでいると、あれも、これも、といろいろ思いつくんですが、
佐々木さんは、そうした立ち位置を一刀両断。
引用します。

 本来われわれは絶対者ではない。絶対的な悪でもなく、絶対的な善でもない。
 その悪と善の間の曖昧でグレーな領域に生息している。
 しかしそのグレーな領域で互いの立ち位置を手探りでたしかめている状態、
 その状態こそが当事者である。

「くさい」と言った男子に悪者のレッテルを貼り、
自分はとっとと「いい人」の側に立つだけでは、問題は解決しません。
そもそも物事は、そういうシンプルな造りではないんです。

もし花子ちゃんが臭うことに気付いていたら、それを指摘してもいい。
「お風呂、入った方がいいかもよ?」
善でも悪でもない立場から意見を言うことの
大切さを、佐々木さんは説いています。

「マイノリティ憑依」を率先したのはメディアだと佐々木さんは述べます。
弱者目線から、大きなもの、強いものを叩く構図ですね。
でも、記者は弱者なのか? 
ちがいます。
弱者という立場を借りて、記事を作っているだけ。

でもこうやって、弱者と強者が対立している限り、
本質が見えてこない気がします。
先の例でいうと、花子ちゃんはなんで臭いの?ってことの
解決策が見えてこない。
そこを突き詰めれば、花子ちゃんは家で虐待されていることが
わかるかもしれません。
なのになぜかそれを避けて、目の前の善か悪かを騒ぎ立てて
悪者を退治して解決、と思い込む。

「当事者」という立場を自覚するのは、ある意味しんどいです。
フレームがないから、どう考えればよいかがわからない。
ふらふらしちゃうんですよね。

グレーな位置にいると、ものすごく細かい思考を要求されます。
単純に、賛成! ではありませんから。

でも、この「当事者」という自覚。
すごく大切だと思いました。

今のマスメディアや日本で展開する議論のなかにある
閉塞感の正体を、論理的に明かしていく姿勢は脱帽!なのですが、
正直、ちょっと難しかった。
だけど、う、わかんないとなってもめげずに読めば、
必ず最後に果実を手にできると思います。
posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 09:56 | 書評 | comments(0) | trackbacks(0) |
I love hyde!
 THE HYDE
3500円

好きなんですよねえ。
思わず買ってしまいました。
高価ですが、ファンなら損しない内容です!

AからZまで、25の項目について、自身で語っています。
実名、出身地、家族、身長、メンバーについて、お金のこと、音楽のこと、
その他あれこれ。
そして写真もたっぷりついて。
子どもの時もかわいいのよねえ。

で、わたしもそれについてあれこれ語りたいのですが、
何か胸にしまっておきたい感もあって・・・。
というのは、これを読んでいると、
2人でお酒を飲んでいる時に聞いた話、
という感じがするんです。
そういうのって、その場にいなかった人にベラベラ話したりしないからなあ。

といいつつ、ある雑誌のBOOK REVIEWページで、
インタビューしたい!とプラン上げたんだけど、
一瞬で却下されました。まあねー。

でもほんと、こういう本の出し方ができるって、
すごくいいこと。
素敵です。

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 18:02 | 書評 | comments(0) | trackbacks(0) |
THE BEE  悪とは何か
 野田秀樹さんの「THE BEE」を観てきました。
じつは、チケットが取れずあきらめていたところ、
友人から譲ってもらいました。

今上演しているのは、English Version です。
大して英語ができるわけではないのですが、
何とか理解できました。
舞台脇には字幕も用意されています。

席数が、いくつくらいだろう・・・かなり小さな空間で、
舞台は目の前! かなりの緊迫感で、息もつけない感じ。
終わったあとは、全身がカチコチでした。

舞台に立つ役者さんは4人。
セットもシンプル。
それぞれの役者さんの存在感がすごく迫ってきました。

内容なんですが、以下、ネタバレも含みますので、
知りたくない人は、読まないでくださいね。


先日紹介した記事にもあるように、
今回は「暴力」というのもひとつのテーマなんですよね。

ふつうの会社員の男性が、子どもの6歳の誕生日に、
プレゼントを持って帰宅すると、自宅が警察とマスコミに囲まれている。
脱獄囚が、妻子を人質に立てこもっていると言われるんです。

いきなりテレビ局のカメラを向けられ、
被害者として扱われる、会社員は、
強烈な違和感を抱きます。
そして反撃に出る。
脱獄囚の家に行って、彼の妻と子を人質にするんです。

そこからはもう暴力の連鎖です。
暴力には理由なんてない。
それなのに、どんどん連鎖していく。
止まらない。誰も止められない。
その連鎖が、暴力の持つ哀しみをすごく表現しているよ
思いました。
巻き込まれていく人たちは、ただそれを受け入れるしかない。
そして行き着く先には、何も残っていない。

暴力がすべてを破壊してしまうんです。
暴力の主であった、自分自身も。

かなりずしりとくる舞台でした。

が、終止、暗い雰囲気かというと、そうではなくて。
コミカルな部分もあって、楽しめました。

こうなると、日本語版で宮沢りえちゃんの演技も観たいなあ。
静岡公演はまだチケットがあるのかな?
あったら行きたい!
















posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 10:47 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
わたしのことを一番わかってくれる人
スピリチュアルにハマる人、ハマらない人
香山リカ
幻冬舎新書
756円

この本は、ハマらない人である香山リカさんの視点で書かれています。

スピリチュアルにハマる人にとって
一番の関心ごとは「自分」なんだそうです。
わたしは、どんなオーラ? どんな前世? どんなカルマを背負っているの?
未来はどうなるの? 幸せになれるの?
ねえ教えて! と先生に相談する。
あなたはこうよ、ああだったのよ。将来こうなるわ。
と教えてもらって、なるほどね、と安心する・・・。

こう聞くと、大丈夫か?と思います。
なんで自分にわからないことが他人にわかるの?
そこがスピリチュアルなんですね。

つまり自分ではわからない、前世やオーラを
言い当ててくれるのが、霊能者、なので。
先生が「わかる人」「見える人」であれば、
その言葉はすべて正しくなる。

でもオーラにしろ前世にしろ、カルマにしろ、
自分を有利に運んでくれるものじゃないとダメなんです。
そうじゃなきゃ認めない。
先生もよくわかっているから、
よもや気分が悪くなるようなことは言わない。
先生も商売なんで。

あなたは今のままでいい。
あなたは何も悪くない。

スピリチュアルにハマるのはそんな言葉の心地よさ。

この本は、様々な本からの引用や社会の現象をもとに、
香山さんが考察を加えています。

たとえばコラーゲン配合の美肌の薬(サプリのことかな?)。
胃腸から吸収された微量のコラーゲンが、
皮膚に利用されることは医学的にありえない。

それがなぜ肌に効果があると言えるのか?
担当の医師は、
でもまったく効果がないとも言えないでしょう?
と言ったそうです。

”医者が作った”コラーゲン入りの商品に満足しながら
使えば、肌にハリが出る人もいる、らしい。

それって??

「人間とはかくも不思議な存在です」と言われて
考えることをやめてしまうのがスピリチュアル。

「なぜ」わたしの前世がわかるんですか?と聞いてはいけないんです。
見える人には見える。
That' all
なんです。
わからない人は切り捨てる。

でもそれって、
現実を自分で分析しないで、他人任せにしているってこと。
さっきのコラーゲン入りサプリにしても、
自分がなぜ肌が荒れているかを分析せず、えらい先生が作ったサプリだから
効くはずだ、と信じる。信じることが幸福なんですね。
ある意味、結果は出なくていい。
そしてその結果は出なくていい部分に注目して、
売り手は商品を作っている・・・。

江原さんの話も出てきます。
香山さんの考察、なかなか鋭いですよ。

スピリチュアルブームも、私たちの「ほめられたい」「安心したい」
気持ちの現れなんですね。

私も縁や運は信じるタイプ。
なんだけど、ちょっと当事者意識の薄いところがある気がする。
ちょっと反省したのでした。

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 11:25 | 書評 | comments(0) | trackbacks(0) |
iMacその後
 結局消えた記事は見当たりませんが、今のところ快適。
PCに対する考え方も変わりました。

わたしは、もともとは懐疑的だったんです。
便利さを追求して失うもの・・・に想いを寄せている面があった。

でも、あれは便利じゃなかったから、好きじゃなかったんだ!
と思えるほどに、あれこれ何でもPCでやろうとする自分がいます。

スケジュール管理も一時期Googleカレンダーでやろうとしたんですが、
開くのが面倒だったんです。
でも、今はアイコンひとつでOK。

写真も、私がいやだったのは、ファイルの場所がわからなくなること
だったんですよね。
整理整頓を自分でしっかり方針たててやらないと、あとで探せなくなる
と思って、昨年のフィンランド旅行、イギリス旅行の写真は
すべてプリントしました。

便利便利って言っても、結局便利じゃないし。
というのが、わたしの本音だったんだなあ。
便利さを追求して失う「何か」を思ってのことではありませんでしたね。
携帯もiphoneに変えようかという勢いです。

ところで、これまでのPCに入っていたメール(送信、受信したもの)や
wordに入っているファイル(これまでに私が書いた原稿)を
そのまま前のPCに放置しています。

まだ前のPCも動くので特に問題はないのですが、
今後、こちらのPCにどうやって移す気かと夫から聞かれてびっくり。
移す気なんて、ありません。
だって、過去のものだし・・・。
そのあたりのこだわり方は、まったく違います。

そういえば、先日「発言小町」で、
自分が大切に取っていた、思い出いっぱいの学生服を
妻が勝手に捨てた、という投稿がありました。
さすがに、私は人のものを勝手に処分したりはしませんが、
妻の気持ちもちょっとはわかります・・・。

どんどん前に行きましょうや!
と思う今日この頃です。

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 10:11 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
スピルバーグは元オタク少年

スピルバーグ監督がクローズアップ現代に登場していたんですね。
サイトでは、インタビューの内容を読むことができます。

スピルバーグ監督は、
自分のことを不器用で変わった子どもだったと告白します。
こういうの、日本語で何と言いました? と彼が言うと、
国谷さんはすかさず「オタク」と。
ちょっと笑いました。
さすが国谷さん!!
オタク少年、世界を駆ける。
いいなあ。

そのなかで、キャスターの国谷さんが、こんな質問をします。

監督は以前、自分が恐れているものを自分の中から吐き出すことで
恐怖を取り除きたいと言っていました。
それが映画を作る大切な動機になっているのでしょうか?

スピルバーグ監督はこう答えます。

恐れているものについて映画を作るということは
自分の不安に対する、いわばセラピーになると思うんです。

ん? セラピー??
ってちょっと思いました。
でも、自分がシャイだから、シャイな男の子にガールフレンドができて
めでたしめでたし、という物語を書く訳ではない。
その不安な気持ちをもっと突き詰めて昇華させる。

こんな友達がほしかった。
という想いが形になったのがET。
少年のころの抑えきれなかった好奇心を形にしたのが、
未知との遭遇。

そこは単純に自分の不安や恨みをぶつけるのでは
ないんですよね。
小説を読んでいても、作家さんのコンプレックスが
核になっている作品はたくさんあります。
でも、素人は、それをただの自己弁護で書くんです。
わたしは、悪くない!!
ってことだけが言いたいように読めてしまう。
もう一歩先に進まないと、小説にはなりえない。

映画もそうなんでしょうね。
オタク少年が自分としっかり向き合った。
スピルバーグ監督の映画の原点に、なるほどでした。
posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 08:45 | - | comments(0) | trackbacks(0) |