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ライター今泉愛子のブログです
深いところにいる私と出会う
ひとつわかったのは、頑張ると納得できるということ。
それが例え、うまくない文章であったとしても、
ギリギリまで努力したら、「これが私の限界だな」と納得できる。

それで「これ全然ダメです。書き直し!」と言われても、
あらま、と受け止められる。
人それぞれよね。わたしはいいとおもったんだけどさ。
くらいに流せる。

ところが、中途半端に頑張って書いた文章は、
「イマイチ」と言われると、過剰に反応してしまう。
それは、イタいところを突かれているからではないかしら。
イマイチだと、本当は自分でわかっているのに、認めてないからではないかしら。
自分では、中途半端に頑張ったのではなくて、ちゃんと頑張ったつもりでいる。
それは、表面の自分。

だけど深いところの自分は、まだ頑張りが足りないことを知っている。
もっとできるのに、なんでやらないんだと怒ってる。

表の自分は、言い訳ばっかり。
「ちゃんとやったもん!」って大きな顔してる。

つねに深いところの自分で闘えるといいんだけど、
この子はなかなか顔を出さない。
たいていは、表の自分(こいつ、出たがりやねん)でやっちゃってる。

瞑想だとか坐禅だとかに、あまり興味はないんだけど、
もしかすると、そういう何かが必要かも、とは思う。
散歩でもジョギングでもいい。
深いところの自分を引っ張り出す方法。

無意識にできる人もいるのだろうけど、
私は、まだムリ。
とことん追い込まないと、登場しない。
ジョギングでも始めますか。

 
posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 09:21 | 人生 | comments(2) | trackbacks(0) |
深夜に、才能のなさと格闘する
一番、つらいのは、自分に才能がないと認めることだと思う。
その事実に向き合いたくないから、人はあれこれ言い訳したり、逃避したりする。

ランナー時代のことも、いろいろ思うところはあるけれど、
要は、才能がなかったってこと。
少しはあった。
だけど、それをうまくハンドリングするのだって才能だ。

文章を書く仕事を始めた時、走ることほどの才能は、書くことについてはないな、と思った。
走ることは、最初から全能感でいっぱいだったから。
書くことはいつだって四苦八苦。
なんで、走ることをもっと追求しなかったかな、と悔やんだってもう遅い。
この土俵でやるしかないじゃん。

書いていて、自分よりもっとうまく書く人はいっぱいいるだろうなと思うことがある。
がっくりくる。
どう頑張っても理想に追いつけない。

だけど思う。
ここで逃げちゃう人が、大半だ。
誰もが、自分の才能のなさを感じる瞬間はある。
そして、それと闘ってる。
もがくしかないんだ。
闘うことでしか解決しない。
目を背けずに、やりつづけるしかないのね。

もうちょっとだけ、がんばろ。
逃げない才能だって、才能と呼んでいいんだよね。
posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 01:45 | 人生 | comments(2) | trackbacks(0) |
「本当の私を見つけて」とかつてユーミンは歌いました
息子から『BAKUMAN』という漫画20巻を、「読んで」と言われ、
ちらちらと仕事の合間に読んでいます。
これは、主人公の2人の少年が、原作と作画を分担して、漫画を書き、
どんどん人気漫画家になっていくという物語です。
出版業界、漫画業界的な裏話も盛り込まれていてなかなか面白い。

んだけど、個人的に納得がいかないのは恋愛。
ふたりの少年(サイコーとシュージン)は、それぞれ彼女がいるのだけど、
シュージン(秋人)のほうは、私からすると、「好きと言われたから付き合った」
くらいなノリで、なぜそれで結婚を考えるに至るのかがまったくわからず。
相手の女の子の方も、わりと気が強いキャラなのに、
「尽くす女」的な立ち位置になっていて、これもまた解せない。
(まだ9巻までしか読んでません)

でもそこにイライラする自分は、やはり乙女属性が強いんだなとも
思いました。おばちゃんなのに、まだ抜けきれない。

やっぱりちゃんとストレートに「君のことが好きだ」と言われたいのですよね。
少女漫画だって、恋愛ドラマだって、たいていそこに時間をかけます。
互いに、惹かれあっていく過程、そこたまに邪魔が入るのも含めて、
ふたりがわかりあえて、本当に「好き」となるまでが、女を酔わせる。

だからシュージンの恋愛には、「見吉さんのどこに惚れたの?」
「どういうところが好きなの?」「ちゃんと彼女のこと理解してるの?」と
問いつめたくなってしまうんですね。
「内面までしっかりわかった上で好きになってほしい」というエゴが
私にはあるのです。きっと。

もちろん最近、リアルでそんなことはありませんが、
この「わかってほしい」欲というのは、けっこう厄介なのかもしれません。
ある意味、大人になっても形を変えて残ってる。

本当は、さびしがり屋の自分とか、
本当は、自信がもてない自分とか、
他人にもそういうのをわかってほしいように思ってしまうことがあります。

恋愛でいうと、
弱いところも含めて、好きになってほしいとか、
ダメなところもわかっていてほしいとか。

私の場合は、わりと「いい人」と言われることがあって、
でも、まったくいい人なんかじゃないですよ、と言いたくなることが
昔はよくありました。
そう言われるたびに、「全然、わかってないでしょ、私のこと。これでもかなり腹黒いよ!」
って。

今なら、「いい人」ってまあ普通にほめ言葉だろうと思えるのですが、
当時は「なんか特に目立った個性もない、普通の人だと言われてるみたい」
「性格ちょっと悪いくらいのほうが、出世するよね」と感じてしまったことも。

「いつも楽しそうだね!」と言われると、
「人生の渋みを何も知らないように思われているんだろうか」と傷ついたり、
時に「私だって苦労してるんだよ!」と声を大にしていいたくなったり。

若い頃は、それで失敗したと思います。
せっかく、「好きだ」と言ってくれていた男の子を
問いつめたこともあったんじゃなかろうか。

他人に自分をわかってもらいたいと思ったり、
もっと具体的に「こう思ってほしい」と思うことって
やっぱりムリがあります。

「他人が感じること」は単に他人が感じることなので、
そこをコントロールしようとしない。
わかってもらいたいと思いすぎない。

「悩みなんてないでしょ」と言われて傷つくことがあります。
「悩みはいっぱいあるけど、気丈に振る舞っているだけなんです」
「私としてはそこを評価してほしいんですけど」
と思ってしまう、そのエゴを手放す。
 
だいたい、その「わかってもらいたい自分」って、
自分にとって、都合のいい自分です。
他人からいいと思われたかったり、
苦労しらずだと思われたくなかったり、
「他人からこう思われたい欲」は、どんな人にもあります。

でもそれは、本当の自分をわかってほしいわけではありません。
ぐうたらだったり、自分勝手だったり、利己的であったり、
という自分のことまでわかってほしいとは思っていません。

「本当に私を知って」というのは、たいていは、
いいところを過大評価してほしいだけ。

他人って、そこまで親切に、他人を理解しようとは思っていません。
たぶん恋愛においても、
何となく気分がいいな、くらいで好きになったりしていて、
「君の弱いところも、バカなところも全部好きだよ」とはなかなか言ってくれない。
それと同じで、社会のなかでも「よく気のつくいい人」とか
「裏方仕事を嫌がらずにやっているエラい人」とか、
ちゃんと見てくてている人はほとんどいません。
その事実をまず受け入れた方がいい。

たとえば、いつも黙って雑用を引き受けている人(女性に多いですね)が、
心の中で「でもみんなわかってくれているはず」と思っていたのに、
何かの拍子で「いや、みんな単に私を利用しているだけなんじゃ」と思い始めて
つらくなってしまうことがありますが、
それはやはり、他人に期待し過ぎているということ。

その期待を捨てた上で、自分はどうするかを決める。
他人が自分をどう思うかに、重きを置かない。

私の例で言うと「いい人だよね」と言われても
「え、これでもけっこう腹黒いんだけど」という反応をしないで、流す。
​「本当はこうなのに」の部分を考えない。
本当の自分にこだわらない。

現実に、本当の自分なんてあまり意味がない。
いい人の私もいれば、腹黒い私もいて、
自信満々に見える私もいれば、相変わらず傷つきやすい私もいて、
だけどそのなかの、あるところだけを抜き取って、
「こう思われたい」があるわけで、
「こう思われたい」自分だって、本当の自分ではないのです。

「裏方仕事を、黙って引き受けるいい人」も自分だけど、
それだけでもないのに、その部分だけをわかってほしいと思ってしまう。
そういう自分の「いい面」を知ってほしい、というのはエゴ。​
「弱い面」もわかってほしいと思うのは、気の迷い。

そこはこだわるところじゃないんですよね。
こだわり、要は全部、煩悩なのね。
煩悩を全部捨てたらラクになるよ、というところまで、
私はいってないし、というか、煩悩ありあり状態で、
少しずつ前に進んでいけたらいいかな。

タイトルは、松任谷由実さんの「ナビゲイター」という曲です。
 
本当の私をみつけて 今より愛して
みんな捨てて どこでも行く なんだってやる

という歌詞に惹かれた少女時代が私にもありました・・・。
 
posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 07:12 | 人生 | comments(0) | trackbacks(0) |