100歳まで生きようと思っています。
死ぬ時期を選べないことは知っています。
死期がいつやってくるのかは、死ぬまでわかりません。
だけど、とりあえずわたしは、100歳まで生きることを前提に人生を考えています。
20代、30代の頃は、70歳で死ぬのも90歳で死ぬのも変わらないと思っていました。
70歳を過ぎたら、ただダラダラ生きているだけ。
失礼な話ですが、それくらいの感覚でした。
でも、その年齢が近づいた50代の今「全然違うでしょ」ってことに気づきました。
だって20年も長く生きるんですから。
100歳まで生きるとしたら、
52歳になったばかりのわたしは、まだ折り返し地点を過ぎたところ。
なんとなく、まだまだいろんな可能性があるような気がします。
これまでわたしが抱いていた人生後半のイメージは、悠々自適。
夫婦でこぢんまりと暮らして、たまに旅行して、お正月には子どもたちが家族を連れて会いにきてくれて、という
家族をベースにしたのんびりとした暮らしです。
でもちょっと待て。
100歳まで生きるとしたら、それではあまりに退屈です。
そんなちまちまとした、人生でええんかと。
もともとわたしは70歳くらいまで仕事をしたいと思っていました。
年金はあまりもらえそうにないし、夫からお小遣いをもらうような生活は息苦しい。
というか、くれないかもしれない
そもそも働くことが大好きなんだから、働き続ければいい。
もちろん働き方は、今と変わるでしょう。
バリバリ働くことはムリかも。
だとしても、働き続ける方法を考えた方がいい。
いま世の中は、ストックよりフローの時代に入っていると感じます。
モノを所有するよりも情報を回していく。
音楽がそうですよね。
レコードを所有するのではなく、Google play でどんどん流しながら聴く。
本だって、きっとそうなります。
紙の本はなくならないとしても、主流は電子書籍になることが確実。
さらにAmazon unlimited のように一定料金を支払えば
自由にいろんな本が読めるというのが主流になるかもしれません。
これはお金もそうだと思うんです。
貯金に励んで老後に備えるよりも、稼ぎ続けることを考えた方が、わたしは確実だと思います。
ビットコインだなんだ、インフレだのデフレだの、あるいは米国のデフォルトだの、、、
よくわかりませんけど、とにかくお金の価値がずっと変わらないとは限りません。
「老後破産」なんて言葉に騙されて、溜め込んでちゃダメで、
お金はどんどん使いながら回していく。
そして未来につなぐ。
わたしでいうと、今けっこう走ることにお金を使っています。
純粋に走ることだけでなく、交通費が大きいのですが、枠としては走ること。
収入を上回る使い方はしていませんが、貯めようとはしていません。
でもきっと、今のこの楽しさが、わたしの老後の健康を支えてくれると思うんです。
そうやってお金を使いながら、心と体をゆたかにして、
これから長く働き続けるための土台を作っておく。
それは、お金を貯めるよりもずっと大事なことだと思っています。
家族についても永続性を前提にしなくていい気がします。
たとえば、60代で離婚して再婚してもそこから30年以上一緒にいられるんです。
わたし自身、これまでずっと、結婚や家族については人並みの幸せしか想定していませんでした。
自分自身の結婚生活についてもそうですし、息子たちにも普通に結婚してほしい。
子どもができたらちょくちょく私たちのところに顔を出してほしい。
なんてことをぼんやりと考えていました。
だけど、そんな幸せを想定していると、そこから外れることが怖くなります。
ふつうの道から外れる不安です。
もし、結婚生活が何らかの理由でダメになったらどうしようという不安、
老後は、子どもや孫たちに囲まれて暮らしたいという願望。
人生に枠を作ってしまうと、ある種の重荷を背負ってしまいます。
でも100歳まで生きるとしたら、まだこれからいろんなことが起こるはず。
息子に「わたし、100歳まで生きることにした!」と言ったら、
「俺70じゃん。老老介護じゃん」と言われましたが、
ちゃうねん、介護なんかいらんねん。
わたしは自由に生きるから、あなたも自由に生きなさい、という話です。
もしいま39歳で「結婚したいけど相手がいない。自分の老後はどうなるんだろう」
なんてことを思って不安になる人がいたら、
まだあと60年もあるんだから、大丈夫よ、と伝えたい。
もしいま56歳で「夫と離婚したいけど、暮らしていけるかしら」
と迷っている人がいたら、
まだあと40年以上あるんだから、我慢するには長すぎますよ、と伝えたい。
もっと自由でいいの。
先が長い、と考えることの方が不安、と思う人もいるかもしれません。
そもそも生きることがつらい、と考えている人もいますよね。
でも100年もあれば、つらくなくなる日もきっときます。
いま『定年後』という本が売れているそうです。
定年後、何をしようか、と考えている皆様には、
ぜひ100歳想定でプランニングすることをお勧めします。
かなり設定が変わってきます。
なぜ唐突に100歳なのか。
この10年、20年で医療が確実に進歩すると思うからです。
ITがさらに進めば、耳が聞こえにくい、目が見えにくい、体がよく動かない、という
老人の現実もかなり改善されると思います。
未来の100歳は、ヨボヨボではないのです。
サイボーグかもしれないけれど。