Search this site
ライター今泉愛子のブログです
東日本マスターズは欠場

東日本マスターズは、欠場しようかと思います。

兵庫マスターズで体力を使い果たし、まだチャージできていません。

昨日、ある練習会に参加したのですが、走れそうにありませんでした。

 

このあたりが私のランナー特性で、疲れからの回復が遅く、

コンディショニングがとても重要です。

 

記録を狙えそうにない、きちんと走れそうにないから、

出場しない、というのではなくて、単純に「走れない」。

体が干からびているような感じです。

ふらふらのヘニャヘニャ。

 

もっと気楽に走れたら、と思いますが、

私の場合、たとえば仲間とのランニングの約束ですら、

当日きちんと走れるよう、一週間くらい前から練習量と食事には、注意を払っています。

ある日突然、走れなくなるのが私なので。

 

高校時代、大学時代のことをあれこれ分析しましたが、

スランプの大元になっているのは、この体調管理の難しさだと思います。

当時は、自覚がなくて、言われるがまま走って体を壊した。

大学に進学しても同じ。

 

でも今は気づいたわけなので、全日本マスターズに向けてコンディショニングしていこうと思います。

私にとっては「鍛える」ことより「整える」ことが大切ですね。

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 05:27 | ランニング | comments(0) | trackbacks(0) |
悲しみは、世界標準で考える

ひどい目にあった時、だれかれとなく言いたくなります。

「わたしはこんなひどい目にあった」と。

 

ひどい目というのは、人からもたらされるか、あるいは不運か。

意地悪をされたとか、浮気されたとか、事故にあったとか。

 

人に言いたくなるのは、同情してほしいから。

わたしも昔はよく「こんなにひどい目にあった」と話しまくる人でした。

主に、仕事ですかね。

 

でも、それを話しまくっても同情してくれる人なんて、ほとんどいません。

それよりも、この人は現実をうまく処理できない人なんだな、と

イケてない人認定するだけです。

仕事をする上で、それはとても不利なこと。

 

昔は気づかなかったんです。

愚痴を垂れ流していました。

そのことで自分自身が評判を落としかねないのに、

それよりも「同情してほしい」意識の方が強かった。

 

でもそこに流されないで、具体的な対応を優先するようになって、

仕事がスムーズに行くようになった気がします。

 

少し前に、またちょっとしたことで無駄に傷ついてしまいました。

そういうことだったの??

 

仲のいい友人に話したら、ものすごくニコニコ聞いてくれたんです。

だけど話が終わって、彼女がわたしに言ったのは

「愛子ちゃんってほんと、かわいいね」

 

なに??

いま、わたしの話、ちゃんと聞いてた?

わたし、めちゃかわいそうやん!

 

別の友人にも話を聞いてもらったら、ふんふんと冷静に耳を傾けてくれたんです。

どんなアドバイスをもらえるだろう、とウキウキしたら最後に

「愛子ちゃんって情が濃いんだね」

 

そこ??

50を過ぎたおばさんがご飯が食べられなくなるほど落ち込んでいる、

という事態に、誰も同情してくれません悲しい

 

わたしにとってはとても悲しくてつらい事実なのですが、

他人は、その事実に関心を持ちません。

「かわいそうに」「つらかったね」なんて慰めてもくれない。

 

それより「わたし」がそういう事実に直面した時に、大泣きしたり、体重が減ったりするほど

悲しい気持ちになる人間だ、というところに反応する。

というか、それとて、友人たちはとても親切だったということです。

うんざりするような話に耳を傾けてくれて。

「そんなん、どうでもええやん」と投げやりにならないでいてくれて。

 

要するに、事実なんてどうでもいい。

事実自体に特別な意味はない。

つらいことなんて世の中にはいくらでもあるわけで、

問われるのは、それをどう処理するか。

愚痴るの? 泣くの? 取り乱すの? 忘れるの? 前を向くの?

ってことです。

 

自分に起きた悲しいできごとは、自分にとっては特別ですが、

世界標準で「悲しい」ものではありません。

てか、全然大したことない。

チャーリーブラウンが毛布をなくしたと泣いていたって、

多くの仲間たちはスルーするでしょう。

「新しいのん買ったらええやん」って。

 

人って、つい自分の悲しみを過大評価してしまうんですよね。

そしてそれにどっぷり浸ろうとしてしまう。

きっと悲しみって甘美なのでしょう。

ある意味、心地いい。

 

で、また別の誰かの前で「やっぱりわたしって繊細すぎるのかな?」と呟いたら、

心底驚いた表情をされました。

んなわけねーだろ! と言いたそうだったショック

 

そうですよね。

ほんま、ええ加減にせえや、という話。

 

というわけで、今週末は東日本マスターズ。

しかし、走れるかな、、、兵庫マスターズ以降、体調が今ひとつだったり、

仕事が忙しかったりで、ほとんど走っていないんです。

兵庫記録更新、王手! というところまで来ていたと思うのですが、

やや停滞。

でもとりあえず、走ってこようと思っています。

 

かっこよくなくていいし、ぐいぐいいけなくてもいい。

順調である必要もないし、たまに失敗もする。

なんでもありの中で、ちょっとだけ、たまに、がんばってみればいいかな。

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 01:41 | 人生 | comments(0) | trackbacks(0) |
ランナーに必要なものは、素質? 体力? 気力? ないものにこだわらない

「順調」と思われるわたしの競技人生ですが、

高校時代に思い切りつまづき、

結局、そのつまづきを取り戻せないままあっけなく幕を閉じました。

その無念さがあるから、今、走っているのだと思います。

 

ランナーとしては、きっと素質はあったと思います。

中学1年の6月で、2’30”4。10月に2’15”7。

大して練習もしないままぐんぐん伸びました。

中学2年で2’11”5。

 

だけど後が続かなかった。

一つは、体力のなさです。

疲れやすい。

 

先日、深尾さんはレース後「走ってくる」とおっしゃってサブトラに向かわれました。

わたしには、その体力はありません。

翌朝、深尾さんにLINEすると、しばらくして「走ってきた」と返ってきて。

 

昨日、わたしも少し走ろうとしましたが、1キロ過ぎでギブアップ。

体が動きません。

深尾さんは本当にいつでも走ってらしたイメージです。

試合でも、合宿でも、とにかくいつも走ってらっしゃる。

 

深尾さんと比べれば、わたしはきっと練習をしない怠け者です。

だけどわたしには、量をこなす体力がありません。

 

昨年11月から走りを再開し、6月にトラック参戦してガンガン行くわたしに

敏子先輩は「やっぱり愛子ちゃんは素質あるね!」と言ってくれますが、

「ここから伸びないのがわたしやないですか」と笑わせています悲しい

 

もちろんマスターズ人生は、もうちょっと長持ちさせたいと思っています。

でも体力のなさは、昔のまま。

走り始めた当初も、毎日走れませんでした。

疲労回復に24時間以上かかるんです。

最近は毎日走れるようになりましたが、体調管理は慎重に行わないといけません。

 

そもそも食が細いので、致命的な気もします。

それを懸命に気力で補って走ってきた。

故障をあまりしないのは、そこまで量をこなせないからです。

 

練習しないで走れるんだからすごい。

ともよく言われてきましたが、どうかな、、、

それは他人事だからそう思うだけです。

 

マスターズ人生は、なんとか楽しく、長く、速く、走りたいと思っています。

記録も狙っていきます。

 

体力がない人、故障しやすい人、メンタルが弱い人、

誰しもどこか欠けているところがあります。

 

だけど、人生もランニングも、ないものにこだわらなくていい。

自分だけの楽しみ方を見つければいいんです。

 

わたしはやっぱり「がむしゃら」中毒なので、

体力と相談しながら、ガツガツやっていこうと思います。

 

 

 

撮影は、同級生ランナーの橋本くん。

ありがとう!

 

 

 

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 05:33 | ランニング | comments(0) | trackbacks(0) |
兵庫マスターズ 兵庫記録更新ならず

兵庫マスターズ、走ってきました。

 

800m 2’48”77 

1500m 5’47”95

 

自己記録は更新しましたが、兵庫記録更新はなりませんでした。

順位はともに1位ですが、マスターズの場合、年代別にすると出場者がかなり少なく、

順位にあまり意味がありません。

 

深尾真美さんも足の調子が良くないとのことでしたが、出場されて、競合いました。

(今回は、私が勝ちました)

 

 

 

深尾さんとは、私のマスターズ初レース、大阪マスターズでご一緒して

(この時は完敗です。10”以上あけられています)、

その時に「帰って来てくれてうれしい」と言ってもらって、

なんだか私もしみじみうれしかったのです。

「やっぱり自分で走るのが一番好き」というのも同じです。

 

今回のレースは、1周目まで男性と深尾さんが先行し、私はついて行きました。

2人に完全に囲まれて前に出れないポジションでしたが、300m過ぎのストレートでアウトコースに出て、

2周目に入ったあたりでトップに出ました。

そこから最後までトップ。

 

しかし場内アナウンスは、「先頭を走りますのは、深尾真美さん」とずっと言っていたんですしょんぼり

そしたらレース後、深尾さんから「絶対、愛子ちゃん、怒ってるわ〜って思ってたんよ」と

言われましたショック

「怒ってました! ここ兵庫やろ。私のお膝元やろ!って」

 

でも、真美先輩はマスターズ界のアイドル状態で、

どこ歩いていても「真美ちゃん」「真美ちゃん」と声がかかります。

さすがです。

ぽっと出のわたしは怒る分際ではありませんでした。

 

深尾さんとは、更衣室やコールにもご一緒したのですが、

その時に、「現役の頃は、コールからスタート地点にいくまでのあの緊張感が良かったですよね」

という話をしました。

「わたし、絶対一番前を歩いていました」と、

深尾さんが「わたしもそう!」と言ってくれると思って話しのに、

「え? わたし、緊張しててそんなこと考えてなかったわ」とおっしゃって。

緊張? と思った瞬間、なんてかわいい人なの! と思ってしまいました。

 

わたしは「愛子ちゃんって、見た目とちょっと違うね」と言われました。がはは。

それ道子先輩にも言われます。。。

走ることだけ強気なんです。

仕事も弱気、近所づきあいも弱気、親戚づきあいも弱気、恋愛も弱気、なんですけど。

 

今回のレースでは、最初の200mを39”で行けば、2’45で走れると踏んでいました。

ずっとそれを考えていましたが、最初の200mが42”でした。

この3秒がそのまま、という感じです。

トータルで42”イーブンで走りました。

 

中学の顧問の先生も来てくれました。

 

中野先生、お変わりなかったです。
ありがとうございました。

 

もう1人の荻野先生(中三の時だけ)も来てくださって、
荻野先生からは全中の時のエピソードを聞きました。

 

決勝前日、わたしは先生たちに「明日はどういうレースをするか」を語ったらしいです。
「先生、みんな前半何秒で行ったらついてこられへんかな。
62”で行ってもいいけど、それやと自分も潰れる。
わたし、明日は63”で行くわ」
と宣言して、その通り前半63”で行ったとか。

 

この時は、美喜子ちゃん、久乃ちゃんは600mくらいまではついて来ていたと思います。
でもラスト200mでわたしが切り替えた時、誰もついてこれませんでした。


優勝タイムは、2’13”2ですから、
前半を63”で走る必要はありません。


でも、わたしなりに自分が勝つレースをやったのだと思います。
速いラップで引っ張って、みんなを潰す、的な。

800mのこういう感じが好きですね。

戦略的なところ。

前年のジュニアオリンピックの失敗が生きました。


今回のレースでは、最初の200mが遅かったのですが、
ちょうどいい感じの相手(1人の男性と深尾さん)がいたので、
そこに乗っかりました。

絶対に記録を出したかったとしたら、失敗ですけども、

レースを楽しむという意味では、よかったと思います。

 

次はどんなレースになるでしょうか。
楽しみです。

 

 

 

高校の先生にはお会いできませんでしたが、
後輩たちが駆けつけてくれて、うれしかったです!
ありがとう!!

中学、高校の後輩、容子にはまるまる一日付き添いをしてもらいました。

ありがとうね!

「容子、わたしって、結構トロくさいって知ってた?」と聞いたところ、
もちろん! って顔をされました、、、そっか、気づいてたか。

 

 

 

 

そしてそして、Hくん、Nくんもいつもありがとう。

荻野先生とつないでくれた、小鴨ちゃんもありがとう。

 

大会を支えてくださっている役員の皆様、
どうもありがとうございました!

 

次は、10月1日東日本マスターズです!

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 06:31 | ランニング | comments(0) | trackbacks(0) |
兵庫マスターズ いよいよ本番!

いよいよ本番です。

わたしは、あまり緊張するタイプではありませんが、

集中するタイプではあって、

試合前は、1週間くらい前から口数が減ります。

夢遊病患者みたいな感じになる。

ずっと自分の脳内をトリップしているんです。危険。

 

もちろん日常の業務はこなしますが、

どことなく心あらずであったりします。

 

つねに頭のどこかにレースのことがある。

つねにシミュレーションしている。

 

とはいえ、わたしの「シミュレーション」って、

長距離ランナーの皆様の緻密な準備、段取りとは違っていて(それはできない)、

レースそのものです。

しかもそのレースそのものも、レース展開というほど具体的なものではなくて(それをやれよ!)、

もっと漠然としたもの。

なんだけど、なんとなく気持ちを高める効果はあります(たぶん)。

 

最近、いろんな元ランナーたちと交流して、いろんな人のいろんなやり方があるんだなと思うようになりました。

一番衝撃的だったのは、やっぱり瀬渡加奈子先輩です。

ふたりでよく競い合いましたが、瀬渡さんは、顧問の岩城先生と二人三脚でいろんな想定をして走ってらした。

そうだったのか! とかなり驚きました。

対するわたしは、野武士、、、といえばかっこいいですけど、単なる道場破りみたいな感じでしたよね。

なんの流儀も知らず、ただ勝ちたい一心のみでドアをこじ開けようとしていました。

戦略的にはかなり弱かった。

実力的にも加奈子先輩のほうが断然上だったと思います。

わたしはもうただただ気力。

 

 

わたしは、中学2年の全中はランキングトップ

(上の写真が兵庫の通信陸上。2'14"9 同タイムですが、順位はわたしが1位)でしたが、

予選で転倒して、予選落ちしました。

予選はオープンスタートだったんです。

だけど転んだって、焦らなければそれでよかったのに、

私は動揺して、そこからラップを取るほどに挽回してしまい、

最後、めためたになって予選落ち。

アホとしか思えません。

 

でも瀬渡さんと話をしていたら、「オープンやから気をつけろ、焦るな」と先生から言われていた、

とおっしゃって、ありゃー的な。

わたしの先生は、専門はウェイトリフティングですし、

トレーニングやレースに関する指示は一切ありませんでした。

練習を見にくることもほとんどなかったんじゃないかな、、、

いつだったか、部活中にわたしが泣いてしまったことがありました。

なにかたぶん仲間はずれ的なことをされたのでしょう。

 

そしたら、先生、飛んで出てきましたよ。

職員室から様子はいつも見てくれていたのですね。

その時に事情を聞かれたのですが、わたしは一切答えない。

すると「俺はな、お前がみんなのなかで浮かへんか、それだけが心配やねん!」って。

わたし、え、、、競技ちゃうの? ってびっくりしたのを覚えています。

でもそんな感じで、心を支えてくれる先生でした。

 

中学2年のジュニアオリンピックは、全中の失敗を覆すチャンスでした。

今度こそ。

この時の種目は1000m。

予選、決勝が同じ日にありましたが、わたしは、予選からぶっ飛ばします。

あの時のプログラムを、兵庫のMさんが見せてくれたのですが、

わたしの走った組だけが他の組よりも断然速い。

4組4着なので、4着にはいればええねん、というレースなのに、

まったく考えていないわたし。

予選時のタイムは組の違う瀬渡さんと7秒も速く走っています。

しかも瀬渡さん、この予選では1着とってません。

 

 

 

そして決勝。

これまでずっと瀬渡さんは先行逃げ切りを狙っていらっしゃいました。

岩城先生の作戦によると、スピード勝負になったらかなわない、ということだったそうです。

ところが、この日のレースは、一向に瀬渡さんが前に行きません。

わたしが行けばいいのですが、わたしも出て行きませんでした。

そしてラスト、やられましたね。

 

この日の日記が印象的なんです。

「これからは自分でレースを作る」

幼い字でそう書いていました。

言葉の隅々に自分への腹立たしさ満載でした。

 

以降ですね、アホとしか思えないのですが、必ずどのレースもラップとってます。ほぼ全部。

そりゃ中三の時はいいですよ。圧勝くらいの勢いがありましたから。

しかし高校に入ってもそれじゃあね、、、

最後の、あかぎ国体も1500mで、1200mくらいまでずっとトップだったかも。

群馬の空っ風が吹き荒れるあの土地で、小柄なわたしが風よけになってどうするよ。

 

結果は4位で、そのことについてはいろいろな思いはあります。

わたし、高校2年、3年とインターハイに出場していません。

その選手が、最後のレースで4位まで持って行ったのだから、まあよく頑張ったと思わなくもないし、

だけど、なんで4位なの? という気もする。もっと上を狙えよと。

そこはまあ、もういいでしょう。

 

でも、自分でレースを作るということは貫いたのね、と思います。

勝負的にはダメでしょうけれど、それでもなんとなく許してやりたい感じはします。

なんというか、頭がよくないんです。

勝ちたいという思いは強いのに。

でもそれでいいの。

勝つことがすべて、とずっと思ってきましたが、

それだけでもないよな、と思えるようになった今日この頃。

 

というわけで、本日は、兵庫マスターズです。

中学の顧問の先生も見に来てくれます。

高校の顧問の先生には、ハガキを出しましたが、来てくれるかどうかはわかりません。

 

兵庫記録を狙っています。

2’45”で走れるといいな!

 

 

 

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 05:48 | ランニング | comments(0) | trackbacks(0) |
旅に出る理由 子育て卒業

今年に入って、旅に出ない月はないほどあちこち動き回っています。

もともとフットワークは軽い方ですが、それにしても軽すぎる。

 

この状況もまた人から引かれるかもしれない、と不安になる要素ではあります。

そういうことも実は気にしています・・・。

福井に行ったこともSNS等で発信しないでおくつもりでしたが、

桐生くんのレースを見てしまい、発信せずにはいられなくなってしまいましたショック

 

こうしてどんどん出かけるようになったのにはきっかけがあります。

昨年、次男が大学に入学した頃、私と次男の間であるトラブルが起こりました。

私にとっては、18年間の子育てを全否定されるような出来事でした。

 

私と次男は、基本仲良しです。

幼い頃から穏やかで優しくて、密かな心の支えでありました。

中学受験は、二人で一致団結して乗り切りました。

私にとっては、人生で初めて「男に尽くした」経験だった気がします。

 

でも、そのトラブルがあったときに思ったのは、

私という存在は、次男にとって重いんだな、ということでした。

 

自覚は十分にあります。

そもそも私が仕事を始めたのは、

私が専業で子育てをやったら子どもを潰すだろうと思ったから。

長男3歳、次男0歳の時でした。

 

私は仕事をしていても、子どもたちには愛情を注げました。

たまに仕事に夢中になりすぎる人もいますが、そういうことはなかった。

仕事をすることで程よい距離感ができたと思います。

 

それでもやはり重かった。

私はガミガミいうタイプではありませんし、細かいタイプでもありません。

だけど、ものすごく強いところがあって、何かの時に容赦なく非難することがあります。

「それ、おかしいでしょ」と私に言われたら、何も反論できない。

私自身が、仕事をもってある程度ストイックにがんばっていますから、

息子たちからすると逃げ場がないんです。

そのことを自覚しているつもりだったのですが、まだ重かった。

 

最初は、次男を外に出そうと思いました。

家を出ろと。

大学生ですから、もう外で暮らしてもいい年齢です。

だけど、お金がかかる。

私の一存ですから夫が出すはずがなく、

でも私も息子の家賃や光熱費を負担できるほどには稼いでいません。

 

そこで、私が家を空けようと思いました。

当時、夫は数ヶ月に一度海外出張があり、それについていくことにしたんです。

そうすれば、自宅は息子たちだけになります。

 

航空券は自腹になりますが、

ホテルは夫の部屋に泊まればいいのでかかりません。

日中はずっと一人。夜も夫は会食なので、自分一人でレストランで食べるのですが、

それもまあ大丈夫。

何と言っても、息子の下宿代よりは安い。

 

そんな感じで、家を空けるようになりました。

私の仕事はPCさえあれば、どこでもできます。

 

旅に出る時、息子たちの食事を準備しておくようなことはしません。

したら意味がない。

旅の最中に、息子たちに連絡を取ることも滅多にありません。

したら意味がない。

 

そうやって物理的に距離を置くようにした結果が今に繋がっています。

交通費を支払うことに抵抗がなくなったんですね。

 

夫からしたら、奥さんが自腹で海外出張についてきてくれて、

ホテルで洗濯をしたり、コーヒーを淹れたり、オフィスに忘れ物を届けたりするわけで、

けっこうラッキーちゃうのん? という気もしたのですけど、あんまりそうは思ってくれていません。

 

だけども息子たち、もちろん長男にとっても、それなりの自由は味わえるのでは、と思いました。

どんどん手を離していこう。

そんな感じで、私の移動生活は始まりました。

 

今はちょっと調子に乗りすぎています。

夫の海外出張が減ったので、もっぱら国内(特に関西)への1、2泊の旅で、

息子たちにとって意味があるのかないのか。

 

だけど、私の興味が外に向いていることは示せているかな、と思ったりもして。

息子たちの進路も大詰めで、あとはいかに自立、自活するかというところまできています。

 

どういう進路を選ぼうと、私はもう意見をさしはさまないつもりです。

きっと私がどう感じるかを、息子たちはさりげなく気にかけています。

そこそこ強い意見をもつお母さんだったのです。

 

もう気にせんでええねんで。

とりあえず、自分の力で生きていけるようになってね。

 

というわけで、来週は兵庫マスターズです。

がんばろう。

 

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 06:20 | 人生 | comments(0) | trackbacks(0) |
ありのままを受け止めてもらえなくてもくじけない

「ありのままの自分を受け止めてほしい」というのは、誰もが思うことで、

友人でも恋人でも、自分が自分らしく振る舞える相手を好きになることが多いと思います。

 

家族は、ありのままを受け止めてくれる存在ですが、

自分が生まれ育った家庭は、いつしか居心地がいいだけではなくなります。

それが成長。

 

多くの人は、そこから飛び出して新しい生き方を模索します。

その過程で、信頼できる相手と新たな家庭を築いたり、

あるいは友人たちと程よい関係で生きることを選んだり、

あるいは一人で自分の城を築いたり。

どれがいいとか悪いとかではなくて、自分なりの心地よさがあればそれで十分です。

 

だけどどの場合でも、ありのままの自分が100%受け入れてもらえるわけではありません。

そのことに、悲観的になることはないと思います。

なぜ自分は受け入れてもらえないのか、とイジイジしなくていい。

 

私などは、かなり天真爛漫に見えるかもしれませんが、

もし私が100%自分を出し切ったら、きっとみんな引くと思います。

いつもどこかで何かをセーブしていますから、

その受け入れられにくさに傷つくことだってあります。

 

この人は、どこまでなら受け入れてくれるかな。

あの人は、この部分も受け入れてくれるかな。

そんな感じで、微調整しながら生きています。

仕事関係者も友人知人関係も。

 

「愛子ちゃんは天才ランナーだね」と、私より実績のある友人に言われたりすると、

あ、、、引かれてるショックと焦ったりすることもあります。

かといって、遠慮して気を使って、ということでもありません。

深刻になる必要はまったくなくて、他人を鏡にしながら、

着地点を探るのみ。

着地点はいつも同じとは限りません。

 

大学時代、キャラ設定を間違えた、と以前、書きましたが、

私は、あの頃は周囲の人たちの期待に一心に応えたような面もありました。

競技面での唯我独尊的なところは抑えていました。

だけど、このところ先生や先輩、後輩、同級生たちと会っていて、

それはそれで全然、良かったと思えます。

 

競技的にはイマイチでしたが、天真爛漫に生きていて、

それを全面的に受け止めてもらいました。

居心地は良かったし、あの環境で十分楽しかったと思います。

人生は、競技がすべてではありません。

 

居心地のいい/悪いは相手によって違います。

いい相手と長く一緒にいたいと思うのは世の常ですが、

自分がいいと感じる相手が、自分のことをいいと思ってくれるかどうかはわかりません。

そこがつらいところだけど、仕方がないこと。

そんな時もある。

相手から選ばれなくても落ち込まない。

人生が百年もあれば、いつか別の相手が見つかります。

 

生き方は年を重ねて上手くなる、というよりは運だと思います。

運のいい時もあれば悪い時もある。

だから、いい/悪いにはこだわらない。

諦めないで前を向いていれば、いつかいいことがやって来ます。

 

若いお嬢さんたちに言いたいのは、

いつか「もっといい相手」が見つかるのではないということ。

たまたま合う人がいつか見つかるだけで、要はそのことに自分が気づくかどうかです。

 

ありのままを受け入れてくれる相手を探し続けてさまようより、

何度も何度も微調整しながらよりよい着地点を探す方が現実的でしょう。

 

未来というのは、明るいから未来。

いいことしか想像できない。

 

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 10:59 | 人生 | comments(0) | trackbacks(0) |
桐生祥秀選手、9秒98! 全日本インカレ観戦記

 

福井県で開催されている、全日本インカレを観戦してきました。

トピックはなんといっても桐生祥秀選手の9秒98!

素晴らしかったです。

 

金曜日に予選、準決勝があって、それも会場で観ました。

2本とも桐生選手、最後は少し流していました。

それでもタイムは良かったので、わたしとしては「もったいない」と思っていました。

記録なんて、よっぽど条件が合う時にしか出ないのだし、

とりあえず1本1本全力で走った方がいいのでは? と思わなくもなかったのです。

ちょっとモヤモヤしていましたが、こういうの、典型的な外野の勝手な意見ですよね。

 

決勝では多田修平選手が勝つかな、と思っていました。

日本選手権では、桐生選手、精彩を欠いていました。

対する多田くんは、伸び盛りな感じ。

日本選手権では、まだふわっとしていましたが、

今回、スタート前のスクリーンに映し出された表情は、

とても精悍で、しっかりとした意志が宿っている男の顔。

おばさん、うっとり。

これはいくでしょう、と思ったんです。

 

スタート前、会場がどんどん盛り上がっていきます。

通路で立ち見する人に、後ろの観客席で座っている人たちが

「見えない!」「そこに立たないで」と声を荒げる場面もあるほどで、

会場全体の注目がレースに集まっていました。

 

ざわざわしていた会場が次第に鎮まっていきます。もう動く人なんていません。

この日は、けっこう風が強かったんです。

この時間ちょうど走幅跳びが行われていましたが、

追い風参考になったり、ギリギリで公認になったりしていました。

男子100mの前の女子100mは追い風参考でした。

 

ところが、男子100mのレース前、会場全体にピンと張りつめた空気が漂い出した頃、

風までもが静かになったんです。

満席の会場でしたが、とても静謐な空気に包まれました。

 

スターターの声。

スタートラインに着く選手たち。

固唾を飲んで見守る観客。

ピストルの音。

 

最初に飛び出したのは多田選手でした。

このまま行くかな、と思うほどパワフルな走りでしたが、

70m、80mと後半、桐生選手がグイグイと加速していきます。

圧倒的な力強さに目を見張っているうちに、そのままゴールを駆け抜けました。

あの加速していく感じ、どんどん身体が自由になっていく感じは本当に素晴らしくて、

心がワクワクして踊り出しそうになりました。満たされるってこういうこと?

 

そして、タイム。

速報は9”99。

いくか、いくか、いくか。。。

どんどん期待が高まります。

 

確定が9”98!!

会場全体が「うわーー!!」と盛り上がって大興奮。

拍手、拍手、拍手。

本当に鳥肌ものでした。

 

桐生選手、決勝に照準を合わせていたのですね。

たしかに、1本に賭けるくらいでないと、あれほどの力は出せません。

あの走り、圧倒的なパワー、運もすべて味方につけるほどの何かがあった気がします。

うまくいく時は、そういうものですね。

すべてが味方してくれる。

だけどその瞬間が「いつ」なのかはわからない。

諦めずに、ずっと努力を怠らずに、その瞬間が訪れるのを待つしかありません。

 

桐生選手、おめでとうございます!

いいレースをありがとうございました!

一生の宝物にしたい時間でした。

 

実は今回の福井行きは前日に決めました。

トラブルで心がメロメロになっていた時に、道子先輩が行くと聞き、

ちまちま悩んでいるくらいなら行ってこよう! とその場で宿を取り、木曜日に出発。

2泊して帰宅しました。

 

とは言え、仕事は溜まっているので、PCを持参し、

午前中は競技場には行かず、ホテルで自分の定めた量の仕事をしてからの観戦でした。

 

東京からは、大宮から上越新幹線に乗車して、金沢まで。

そこからサンダーバードで福井へ。

福井へは、東海道線経由でも行けるのですが、そちらはわたしにとっては通い慣れた道。

金沢経由だと、景色も新鮮でした。

新型車両は、コンセントが1席に1つあるのも良かったです。

 

試合会場では、学芸大のところにずっといました。

最近、母校に勢いがあってとてもいい感じなのです。

有吉先生、繁田先生がいらっしゃるので、わたしも大きな顔をして座っていられます。

後輩がお茶を出してくれた話を息子にしたら「老害かよ!」と言われてしまいましたがショック

 

後輩で1500mチャンピオンの卜部蘭ちゃんのお母様(田島由紀子さん)ともお話しして、

トレーニングについて根掘り葉掘り聞こうとするマスターズのおばはんランナー。

貪欲すぎますかしら。。。

 

でも3日間とも、わたしもしっかり走りましたよ。

有吉先生からは「これからの高齢化社会に向けて、お前もスポンサー探したらどうか」と言われました。

高齢化社会、、、そっか、もうそっちか。

 

懐かしのT先輩にもお会いしました。

こそっと「先輩、わたしってあの頃から変わってましたか?」と聞いたら、

「あーーいや、そこまででも」と言ってもらいました。

ありがとうございます。

 

福井はとてもいい町でした。

川があって、お堀があって、方言が優しくて。

ジョギングも楽しそう。

いい気分転換になりました。

 

悪い気を溜めないためには、動き回るといいですよ。

どんどん流していきましょう。

 

 

 

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 05:16 | ランニング | comments(0) | trackbacks(0) |
月でもかけっこで一番になりたい

30年ぶりに競技を再開して、かなり浦島太郎状態であることがわかってきました。

 

ウェアはコットン100%が好き。

速乾性のTシャツなんて知りませんでしたし、

タイツがこんなにメジャーになっていることもしりませんでした。

 

シューズは何度も書いた通りのスケッチャーズ。

大満足しているのでほかのシューズを試す気になれなかった。

だけど最近は、スケッチャーズに匹敵するような軽いシューズが

出てるんですね。

ということで、いまお試し中。

 

食事はやっぱりおにぎりがいい。

ウィダーインゼリーは、消化能力の低い私にぴったりの栄養補給だとは思いますが、

口でちゅるちゅる食べるやり方は、お行儀が悪く感じられて気乗りしません。

あれを人前で食べるなんて!

明治の女みたいですけど。

 

そういえば、ペットボトルが出始めた頃も、

ボトルに直接口をつけて飲むことにかなり抵抗がありました。

なんか下品。

コップを使いたい。

 

なぜか新しいものに抵抗がある。

そもそも「便利」というものに惹かれません。

それは本当に必要なの?

便利になると幸せなの?

というか、それで速く走れるの?

と思ってしまいます。

ちょっと頑固ですね。

 

ランナーとしてというより、きっと人としてだと思いますが、

わたしは、まったく依存体質ではありません。

親にも先生にも、夫(恋人)や友人、あるいは子どもにも

もたれかかることがほぼありません。

アドバイスは素直にうけます。

あらゆる場面で人に助けてもらうことも多いです。

だけど、わたしはわたし。

 

便利なものに対しても、きっと警戒しているのだと思います。

それなしでやっていけなくなったらどうするの?

便利さにひざまずくの?

 

安心に依存しすぎると、自分から不安を作り出すようになります。

不安→解決(安心)というサイクルにハマってしまってはダメ。

「健康のためなら死んでもいい」っておかしいでしょ。

 

もちろん便利なものを取り入れていくことの意義は理解しています。

それを加えることで、より快適に走れるならそうしたい。

マネージャーが来てくれて助かるのは本当にそう。

だけど、いないと走れない、ということにはしたくない。

 

わたしは、月でかけっこしても一番になりたい。

便利なものなんて何もないところでも一番になりたいんです。

仲間がいなくたって平気。

シューズもウェアもなくていい。

 

それでもわたしは一人でやりきるし、

絶対に負けない。

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 08:19 | ランニング | comments(0) | trackbacks(0) |
出口治明『教養は児童書で学べ』(光文社新書)

お手伝いした本が発売になりました。

ライフネット生命の創業者であり、読書家としても知られる出口治明さんが、

児童書を解説します。

 

取り上げるのは、この10冊。

モモ、はらぺこあおむし、アンデルセン童話、ナルニア国物語、アラビアン・ナイト、

ギルガメシュ王ものがたり、西遊記、せいめいのれきし、さかさ町、エルマーのぼうけん

 

児童書は、子どものために作られた本ですが、じつは、大人が読んでも十分おもしろい。

 

『西遊記』を読むと、中国人の本音と建前の世界が見えてきます。

一党支配で社会をびっちり統制しているのかと思いきや、

市井の中国人たちは思いの外、のびのびとしています。

それは、西遊記を描かれた頃からすでにそうなんです。

 

『アラビアン・ナイト』を読むと、アラブ人たちの前向きなエネルギーに圧倒されるでしょう。

彼らは徹底した実力主義だから陰湿ではないのです。

それを知ると、今のアラブの状況が特殊なのだとわかります。

 

『アンデルセン童話』を読むと、私たちの生きている世界には

どうしようもない理不尽が存在することに気づきます。

人魚姫もマッチ売りの少女も、報われない人生をまっとうしました。

そのはかなさは、大人にとってとても味わい深いものであるはず。

 

『はらぺこあおむし』をじっくり味わいながらページをめくると、

色彩とデザイン、そして構成がいかに考えて作られたものかがよくわかります。

いい絵本とは、そういうものなのです。

 

『さかさ町』では、あらゆるものがさかさになっています。町では子どもが働き、大人が遊ぶ。

病院では健康な人がお金を払い、病気になったら払わない。ものを作る人がお金を払い、買う人がお金をもらう。

さかさにすることで、物事の常識が違って見えてきます。

 

この本は、月に一回、出口さんのオフィスを訪れて、お話を聞き、

それをわたしが文章にまとめました。

ぜひ、手にとって読んでくださいね!

 

 

posted by 今泉愛子(詳細はクリック) | 05:20 | 仕事 | comments(0) | trackbacks(0) |