いよいよ本番です。
わたしは、あまり緊張するタイプではありませんが、
集中するタイプではあって、
試合前は、1週間くらい前から口数が減ります。
夢遊病患者みたいな感じになる。
ずっと自分の脳内をトリップしているんです。危険。
もちろん日常の業務はこなしますが、
どことなく心あらずであったりします。
つねに頭のどこかにレースのことがある。
つねにシミュレーションしている。
とはいえ、わたしの「シミュレーション」って、
長距離ランナーの皆様の緻密な準備、段取りとは違っていて(それはできない)、
レースそのものです。
しかもそのレースそのものも、レース展開というほど具体的なものではなくて(それをやれよ!)、
もっと漠然としたもの。
なんだけど、なんとなく気持ちを高める効果はあります(たぶん)。
最近、いろんな元ランナーたちと交流して、いろんな人のいろんなやり方があるんだなと思うようになりました。
一番衝撃的だったのは、やっぱり瀬渡加奈子先輩です。
ふたりでよく競い合いましたが、瀬渡さんは、顧問の岩城先生と二人三脚でいろんな想定をして走ってらした。
そうだったのか! とかなり驚きました。
対するわたしは、野武士、、、といえばかっこいいですけど、単なる道場破りみたいな感じでしたよね。
なんの流儀も知らず、ただ勝ちたい一心のみでドアをこじ開けようとしていました。
戦略的にはかなり弱かった。
実力的にも加奈子先輩のほうが断然上だったと思います。
わたしはもうただただ気力。
わたしは、中学2年の全中はランキングトップ
(上の写真が兵庫の通信陸上。2'14"9 同タイムですが、順位はわたしが1位)でしたが、
予選で転倒して、予選落ちしました。
予選はオープンスタートだったんです。
だけど転んだって、焦らなければそれでよかったのに、
私は動揺して、そこからラップを取るほどに挽回してしまい、
最後、めためたになって予選落ち。
アホとしか思えません。
でも瀬渡さんと話をしていたら、「オープンやから気をつけろ、焦るな」と先生から言われていた、
とおっしゃって、ありゃー的な。
わたしの先生は、専門はウェイトリフティングですし、
トレーニングやレースに関する指示は一切ありませんでした。
練習を見にくることもほとんどなかったんじゃないかな、、、
いつだったか、部活中にわたしが泣いてしまったことがありました。
なにかたぶん仲間はずれ的なことをされたのでしょう。
そしたら、先生、飛んで出てきましたよ。
職員室から様子はいつも見てくれていたのですね。
その時に事情を聞かれたのですが、わたしは一切答えない。
すると「俺はな、お前がみんなのなかで浮かへんか、それだけが心配やねん!」って。
わたし、え、、、競技ちゃうの? ってびっくりしたのを覚えています。
でもそんな感じで、心を支えてくれる先生でした。
中学2年のジュニアオリンピックは、全中の失敗を覆すチャンスでした。
今度こそ。
この時の種目は1000m。
予選、決勝が同じ日にありましたが、わたしは、予選からぶっ飛ばします。
あの時のプログラムを、兵庫のMさんが見せてくれたのですが、
わたしの走った組だけが他の組よりも断然速い。
4組4着なので、4着にはいればええねん、というレースなのに、
まったく考えていないわたし。
予選時のタイムは組の違う瀬渡さんと7秒も速く走っています。
しかも瀬渡さん、この予選では1着とってません。
そして決勝。
これまでずっと瀬渡さんは先行逃げ切りを狙っていらっしゃいました。
岩城先生の作戦によると、スピード勝負になったらかなわない、ということだったそうです。
ところが、この日のレースは、一向に瀬渡さんが前に行きません。
わたしが行けばいいのですが、わたしも出て行きませんでした。
そしてラスト、やられましたね。
この日の日記が印象的なんです。
「これからは自分でレースを作る」
幼い字でそう書いていました。
言葉の隅々に自分への腹立たしさ満載でした。
以降ですね、アホとしか思えないのですが、必ずどのレースもラップとってます。ほぼ全部。
そりゃ中三の時はいいですよ。圧勝くらいの勢いがありましたから。
しかし高校に入ってもそれじゃあね、、、
最後の、あかぎ国体も1500mで、1200mくらいまでずっとトップだったかも。
群馬の空っ風が吹き荒れるあの土地で、小柄なわたしが風よけになってどうするよ。
結果は4位で、そのことについてはいろいろな思いはあります。
わたし、高校2年、3年とインターハイに出場していません。
その選手が、最後のレースで4位まで持って行ったのだから、まあよく頑張ったと思わなくもないし、
だけど、なんで4位なの? という気もする。もっと上を狙えよと。
そこはまあ、もういいでしょう。
でも、自分でレースを作るということは貫いたのね、と思います。
勝負的にはダメでしょうけれど、それでもなんとなく許してやりたい感じはします。
なんというか、頭がよくないんです。
勝ちたいという思いは強いのに。
でもそれでいいの。
勝つことがすべて、とずっと思ってきましたが、
それだけでもないよな、と思えるようになった今日この頃。
というわけで、本日は、兵庫マスターズです。
中学の顧問の先生も見に来てくれます。
高校の顧問の先生には、ハガキを出しましたが、来てくれるかどうかはわかりません。
兵庫記録を狙っています。
2’45”で走れるといいな!